続いて放射線治療 [癌と経過]

 退院したのもつかの間、数日後には外来に再上陸。オペ室での姿とは打って変わって、やはり先生は軽やかで明るかった。手術痕は綺麗にくっついていて翌週には抜糸ができるそうだ。そして次週からは、放射線科での治療が始まるという。なのでここで乳腺外科の先生とはしばしお別れ。しかしながら大病院はいろいろな科と設備があって助かる。

 治療の合間を縫って、学生時代の友人達と食事をすることになった。無事生還を喜んでくれる旧友の存在はありがたかった。
でも、
「私は胸が小さいから乳癌とは無縁かと思ってるんだけど。そうとは言えないのかしら。」
とか、
「健康診断を受けたら、結果待ちの間が不安で不安で・・だから受けるのは怖いわ・・」
とか言う人もいて、己の医療に対する考え方とのギャップに驚いた。私が検診を受けるのは、何もなければそれでよし、万が一何か見つかれば早期対応ができるから。無用な不安、遅きに失してことを大きくしないためだ。時間は巻き戻しできない。

 検査に対する意識の違いを知ると同時に、個人事業主や会社員の妻でない人は、健康診断自体受ける機会が少ないことも目から鱗だった。公的機関からの受診票は、受けなかったからと言って連絡が来ることもなく、忙しさにかまけているうちにいつの間にか期限が過ぎていたりする。「受けなきゃとは思っているんだけどね。」が、いつの間にか病状が進行している理由の一つなのだろうか。

 ともかく、楽しい夜だった。友人達と久しぶりに集い、お酒も少しいただいて元気を取り戻した。あとは時間が薬か。でも、明日予定していたイベントはキャンセルしよう。病気発覚前に申し込みも支払いも済ませていたイベントだけど、敢えてやめておこう。疲れをためないように。体がSOSを発する前に。

 
 翌週からいよいよ未知の放射線治療が開始された。先ずはこの治療についての説明があり、続いてCT検査となる。照射位置のマーキングをするための3D画像が撮られるようだ。
 放射線技師さんが二人以上ついて、看護師さんも最初はその場におられた。技師さんたちが男性だから、女性の看護師さんがいてくださるのだろうか?まぁ、半裸体で、自分で動くことは禁止され、時に持ち上げられたり捻られたりしながら、技師さんの顔が生身のすぐそばにあるのは正直緊張した。

 初回照射日はそんなこんなで数十分身動きが出来なかった。同部位に連続して照射するため、患部とその周りには入念に印がつけられていた。消えない様にずれない様に、バッテンの所にはシールが貼られる。動いてはいけないと言われると余計にムズムズするもので、唯一動かしても何も言われない足首を動かして、気を紛らわせていたww。
 五週間の治療期間の途中で減量したら、ボディのサイズが変わるだろうな、そうしたら照射部位も変わるのかな。その時は再度測定し直すのかしら(結局そういう嬉しい事態は起こらなかったが)。俎板の上の鯉というよりは、横断歩道の舗装をされているアスファルトってこんな気分だろうな。もしアスファルトに意識があるとしたらだけど。
取り留めもなく浮かんでくる考えに、何があってもおちゃらけている楽天的な自分を顧みる。ちょっとは客観的に周りを観察してみるか。身体に線を引く色は、青だの黒だの、これって何か決め事があるのかな。マーキング用の特殊インクなのかな。と技師さんの胸ポケット一杯に差してあるペンを見ると

マッキー・・・普通のマジックなんですね・・。

照射部位の計算に一日猶予が必要というので、実際には翌々日から照射開始。
 
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