放射線治療 中旬 [癌と経過]

 放射線科には、だいたい同じ時間に来るようにとの指示があった。照射室には一度に一人、十数分の時間がかかる。混みあわないようにという配慮だろう。
 毎日毎日同じ時間に行くと、待合室では同じように通院しておられる方と顔見知りになる。そのうち、言葉を交わす機会もうまれた。「あとどのくらいですか?」「私は今週で終わります。あなたは?」そんな程度でも、小さな空気抜けにはなった。なので出来るだけ声をかけるようにした。

「大丈夫ですよ。」と励ましてくださる人。
「お互いもうちょっとですね。」と励ましあえる人。
「全摘して乳房再生したいと言ったのに、温存と言われたんですよ!」と、まくし立てる人。

 それはそれはさまざまだった。こういう時に人柄が出るものだなぁ、それは病の程度には関わらないのだわ。みんな不安なのだ。私は、不安を表す人には、出来るだけ思いやりのある態度でいたいと思った。

 照射三週目ともなると、なんとなく横になる時間が増えてきた。病院に週5で通勤しているようなものなので、その疲れもあっただろうか。治療後のランチも買い物も億劫になり始め、さっさと家に帰るようになったのはこの頃からだ。
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

放射線治療 初旬放射線治療 下旬 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。