何故 記そうと思ったのか [癌と経過]

 告知から経過観察に至る一連の流れは、ここまでです。

 告知によるショック、嘆き、怒り、感謝、悟り・・・誰もが通るという心理的ステップがあります。(参照 キューブラー・ロスによる五段階モデル)心理学の本に書かれているこういったことを、私は半年足らずで高速で通過したように思います。勿論、早期発見だったこと。それが、気持ち的にも体力的にも余裕をもって治療にあたれた最大の理由です。しかし、己の感情に振り回されないよう、普段から冷静沈着を心掛けていたことは、大いに役立ちました。それでも、買ったばかりの車をぶつけたけれど。(どこが冷静沈着だ)

 こうして記録しよう公表しようと思ったのは、お読みになっている方に未病がもしあるなら、早いうちに見つかってほしい。調べて早く見つけて、適切な対処をして欲しいと思ったからです。検査は怖いかもしれない、多少は痛いかもしれない。検査結果が出るまでは不安かもしれない。でも、病状が進んでしまったら元に戻すことは出来ません。時間は巻き戻せないのです。もし万が一、良くない反応が出ても、生存率の高い立ち位置で治療に臨んでいただきたいのです。

 ステージ1と分かった時「助かる可能性は高い」と思い、転移がなかったとわかった時「生きててよかった」と心から思いました。抗がん剤治療についてはいろんな意見があります。大変な苦しみを経験なさることも知っています。私には不要でしたが、もし受容体が見つかっていたら治療の拒否はしなかったでしょう。エビデンスは、適切な治療をした時の数値なのです。

 民間療法は私にはわかりません。採用したい人はすればいいし、そうでない人は無視すればいい。でも代替治療として採用するのは疑問です。西洋医学か東洋医学かどちらか一方、あるいは他を捨てて〇〇療法に絞る。ひとつを選んだら、他方は捨てなければならないようなものではないはず。

 ちょっとした選択、ちょっとしたタイミング。不思議な力を感じずにはいられないのですが、そのおかげで私は一つの関門を潜り抜けました。公表したおかげで「実は私も」とカミングアウトしてくださる方が大勢おられました。その方々とは、いろいろなお話が出来るようになりました。幼子がいきなり懐に飛び込むような感じで、温かく迎え入れて頂きました。今に至るまでそれは、決して同病相憐れむようなものではなく、近い経験をした人間が緩やかに繋がっているというものです。

 勿論、病についてこうして公表するのはいかがなものか、と最初は思っていました。何故なら私は幸運でしたから。早期発見、転移なし。受容体が限られていたこと、体が辛くても自力で生計を立てなければならないという事もない。子供たちは手を離れ、親の身を労わってくれるほど大人になっています。半世紀無事に生きて好きなこともしつつ、平穏無事に五十代を迎えられました。記した病気は見つかりましたが、エビデンスを見ても五年後これが原因で死ぬことはないでしょう。所謂ドラマチックな話は一切ありません。でも、それが普通なのです。生きる、暮らすという日常が波乱万丈だと疲れます。

日々、微調整を繰り返しながら健やかにお過ごしになります様に。そのためにも体のメンテナンスをおざなりになさいませんように。変化があればすぐ。変化を感じなくても定期的に検査を受けられることをお勧めします。

 お読みになっている皆様が、お健やかでありますように。

nice!(1)  コメント(0) 

12月ライブはこちらです [スケジュール]

12月8日(金)
ゆりまみライブ
場所 奈良県奈良市新大宮にありますVanda Melilieにて

yurimami.jpg

出演 岡村ゆり vo
   小場真由美 pf

MC 2000円 
二人のオリジナルやジャズ、そろそろ良い季節なのでクリスマスソングなどもお届けできるかと。
どうぞお運びくださいね。

nice!(1)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。